私たちが思うよりも
                                             この世界は優しくないから
                                             せめて私くらいはあなたの
                                             そばにいたかったんだ
                                          
                                             ザラついた 手触りの言葉で
                                             あなたのこと 汚した私は
                                             妙に目にしみる 茜色に
                                             縫い付けられたままで
                                             動けないままで
                                          
                                             きつく抱きしめて
                                             くしゃくしゃになった
                                             あなたの孤独を見つけたのに
                                          
                                             もう傷つける場所もない あなたの心臓が
                                             切なくなるくらい 柔らかく音を立てて
                                             酷く膿んだ 傷を押さえながら
                                             それでもあなたは 笑っていたのでしょう
                                             それがどうしようもなく 嫌なのです
                                             せめて私の前では 泣いて欲しいのに
                                          
                                             ボクたちが息をする世界は
                                             もうとっくに壊れていたけど
                                             それでもあなたと見たその色は
                                             ただあまりにも美しかったんだ
                                          
                                             歩き方を 忘れた私たちは
                                             どこまで行けるのかな
                                             どこにも行きたくないのなら
                                             それでもいいよ
                                          
                                             ここで話をしようか 何も話したくないなら
                                             ここから見える景色を見ていよう
                                             何も見たくないのなら ずっとこのまま
                                             ふたり目を閉じていようよ
                                             あなたがいればいいよ
                                          
                                             その躰の真ん中で 軋んで割れそうな
                                             噛み殺した声が 聞こえて 走り出した
                                             私が今すぐそばに行くから
                                             あなたはあなたのままで 待っていて
                                          
                                             その指先が体温が触れた ボクの心臓は
                                             隠せないくらいに あなたへと音を立てて
                                             酷く爛れて 濁っていた 空さえ
                                             切なくなるくらい 透き通って見えた
                                          
                                             私たちの心臓が 音を立てて
                                             重なるくらい 近づいたなら
                                             壊れたままで 進んで行く 世界の中
                                             それでもふたりで 息をしている
                                          
                                             小石を高く高く 積み上げては
                                             吹きさらす心は 夕暮れ
                                             いつか見つかると まだ見つかると
                                             白く 甘く 淡く
                                          
                                             影踏み遊びばかりしてきました
                                             贖い足がかり 探して
                                             いつか見つけると まだ見つけると
                                             永く 脆く 遠く
                                          
                                             鏡越し貴方と
                                             瞳の奥の私と
                                          
                                             誰かの 中の 貴方は
                                             欠片のままに 夢を見る
                                             だって D/N/Aじゃ 騙れない
                                             この心は私の中 紅く
                                             紅く
                                          
                                             眠れない迷子の無いものねだりじゃない
                                             この細胞は愛憎 刻まれてる
                                             まだ見つけるの まだ見つけるの
                                             言えなかった音は?
                                          
                                             誰かの 中の 貴方は
                                             繋がれたまま 夢を見る
                                             だって D/N/Aじゃ 語れない
                                             この痛みも私の中 紅く
                                             紅く
                                          
                                             鏡の 形と
                                             逆さまな D/N/A
                                             私の 証と
                                             暖かな D/N/A
                                             鏡の 形と
                                             逆さまな D/N/A
                                             私の 証と
                                             暖かな D/N/A