そう簡単な祈りだった 端から
段々と消える感嘆
今から緞帳が上がるから
静かな会場を後にさよなら
言いかけていた事が一つ消えてまた増えて
背中に後ろめたさが残る
従いたい心根を吐き出さぬように込めて
胸の中が澱のように濁る
受け止めたいことが自分さえ抱えられず
持て余したそれを守っている
霞んだ声はからからに喉を焼いて埋め尽くす
何を言うべきか分からなくて
感じてたものが遠く放たれていた
同じ様で違うなんだか違う
何時まで行こうか 何処まで行けるのか
定かじゃないなら何を想うの
僕らが離れるなら 僕らが迷うなら
その度に何回も繋がれる様に
ここに居てくれるなら 離さずいられたら
まだ誰も知らない感覚で救われていく
平穏とは消耗を以て代わりに成す
実際はどうも変わりはなく
享楽とは嘘で成る
「綻ぶ前にここを出ていこうか」と
都合の良い願いを同じ様に同じ様に呟く
何処から聞こうか 何を見失うか
定かじゃないから此処を動けない
僕らが疲れるなら これ以上無いなら
その度に何回も逃げ出せる様に
心が守れる様に 奪われない様に
互いに託して 身体を預けてよ
君と泣く 君と笑う 君と怒る
君と歌う 君と踊る 君と話す
何時まで続くだろうと同じ様に同じ様に呟く
いま忘れないよう刻まれた空気を
これから何度思い出すのだろう
僕らだけが
僕らが離れるなら 僕らが迷うなら
その度に何回も繋がれる様に
ここに居てくれるなら 離さずいられたら
まだ誰も知らない感覚で僕の生きているすべてを確かめて
正しくして
この生活の虜になっちゃうよ Lady
光を失った おさがりの宝石を
永久に纏ってく
救われたあの日から
救いが義務になるなんて
まるでフィクション
トレパネーション受けた気分になってんだ
足枷と腐りに縛られて
たった一度の光 出会うため
この部屋でずっと忘れた
何かを待つ囚人
出されたものは満遍なく 残さず平らげて
優等生な屍人 誰よりも無個性だった
住めば都って 暗い歌
また何度も何度も吐き捨てて
挙句の果て 食べる行為が
それ自体が苦手になった
夜中 ふと目に映った
きらめく仮面の舞踏会
馬鹿らしいほどに 狂おしいほどに
年甲斐も無く惹き込まれたら
この生活の虜になっちゃうよ Lady
『よく似合ってる』ってさ
『おあつらえ向き』ってさ
その後のことは見向きもしないくせに
生活の虜になっちゃうよ Lady Lady
痛みだってさ 癒えぬ傷だってさ
すべて生きてくため 乗り越える試練
他愛もないことでしょう
少し欠けてるピンクオパール
迷子になったアイオライト
埃を被るトパーズ
孤独なアメトリンもみんな
それぞれ着飾って
濁って重くなってって
奈落の底の牢屋に沈んでいくとしても
ああ 訪れた幸せが ほら祝祭日みたいに
既に決められた予定調和で
一瞬で失せてしまう 慰めでも構わないよと
希望有りきの絶望にさ依存 依存
生活の虜になっちゃうよ Lady
『いつか報われる』
『認めて貰える』
気休めの呪文で己を騙すの
生活の終わりはすぐそこ Lady Lady
妬み 嫉み 野次馬 劣等 面子だって
生きてくため 乗り越える試練
仕様がないことでしょう
この生活の虜になっちゃうよ Lady
当たり障りないような 大衆的な宝石は
もう必要はない 濁りすらも綺麗
生活の虜になっちゃえよ Lady Lady
『古臭い』ってさ
『金にならない』ってさ
琴線を奏でない言葉は無用
生活の虜になっちゃった Lady Lady
痛みだってさ 言えぬ秘密もあっていいんだ
そう生きてくため 纏うものだろ
他愛もないことでしょう
あなたも虜でしょう?